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スパーブルームコラム

病気の予防は知ることから。生活習慣病「糖尿病」について

皆さまは、糖尿病と聞くとどのようなイメージがありますでしょうか?

「甘いものが好き」「太っている」「治らないのでは?」「恥ずかしい…」などでしょうか。

糖尿病という言葉は知っている人はたくさんおられると思いますが、どのようなことが原因でなるのか、どのような症状なのか、どのような治療法をするのかなど、糖尿病について説明できる方は少ないと思います。

糖尿病は、生活習慣病と言われるほど身近な疾患であり、有病者の方が1000万人。予備軍の方も1000万人。合わせると2000万人とも言われています。また、60代の3人に1人が糖尿病、もしくは予備軍と言われています。

これほど身近な疾患だからこそ、なってしまう原因を理解することで予防の第一歩になると思います。

本日は、この糖尿病について取り上げてお話をさせていただきたいと思います。

1)血糖値とは

糖尿病を知る前に血糖値についてお話します。

まず血糖値とは何かということです。

わたしたちが食事をする中で三大栄養素と言われる炭水化物、脂質、タンパク質のうち、炭水化物を食べ、口で咀嚼をし、胃で胃酸により食べ物がドロドロ状にされ、そこから消化吸収されるときブドウ糖という形に変わり腸へ吸収されます。そのブドウ糖が血液を流れていくわけですが、この血液中にあるブドウ糖が血糖値の正体です。

2)糖の役割

それでは、糖の役割について出来るだけ簡単にお話したいと思います。

皆さまは、糖=悪のようなイメージはありませんか?
実は、決してそのようなことはありません。
わたしたちにとって、糖は最も重要なエネルギー源です。

車で例えるとガソリンと同じで、体の細胞は糖で動いています。
その中でも脳細胞はとても燃費が悪く多くの糖を必要とします。脳以外の細胞は脂質やタンパク質をエネルギー源として利用できますが、脳細胞だけは通常、糖だけしかエネルギー源として利用しない大変わがまま臓器です。わがままではありますが、生命維持のためには不可欠な重要臓器なため、糖を切らすことなく供給する必要があります。

脳にとって糖はとても大切なことが分かっていただけたかと思いますが、血管内の糖の濃度が高すぎたり、低すぎたりすると様々な悪さをします。そのため血管内の血糖の濃度は厳密にコントロールされています。食事を摂り体内に糖分が補給されると一時的に血糖値は上昇しますが、肝臓や筋肉に移動し貯蔵、脂肪に変換され脂肪細胞に貯蔵されることで血糖の値が修正されます。空腹のときは肝臓や筋肉、脂肪細胞に貯蔵された分から少しずつ糖が供給され、血糖を維持しようと働いてくれます。

食事の影響を一時的に受けるとはいえ、体は血糖を一定にしようと働きますので、常に食後すぐのような血糖値の数値は問題があると言えます。糖尿病は血糖の値が高いまま持続される疾患なのでこれらの高血糖状態を糖尿病予備軍、もしくは糖尿病となります。

3)インスリンの役割

次に、血糖値を安定させるにはとても重要なホルモンであるインスリンのお話をしたいと思います。

血液内に糖が増えると、体は血液内の糖を下げようと膵臓からインスリンといわれるホルモンが出てきます。血糖を上げるためのホルモンはたくさんありますが、下げるためのホルモンはこのインスリン、1種類しかありません。

それはなぜだと思いますか?

人類の歴史は、飽食よりも飢餓のほうが身近でした。わたしたちが飢餓状態の中でも生きていくには血糖を上昇させるシステムを何重にもして飢えに備える必要があったためいくつもホルモンを備えてきた歴史があります。

現代のような飽食時代は、人類史上極めて異例なことで、飽食時代に適応するための体の機能の働きには適応が不十分な状況です。

高血糖に対する体の仕組みはとても脆弱なため、まさに糖尿病は現代病のひとつとなっています。

4)糖尿病の症状

それでは糖尿病の症状とはどのようなものか見ていきましょう。

血糖値が少しだけ高い状態では、自覚症状がない無症状の方が多いことが現状です。
高血糖が持続している方は自覚症状がいくつかあります。
のどがすぐ乾く、尿がたくさんでる、からだが気だるい、食べているのにも関わらず体重が減るなどです。そして、高血糖が持続されると血管が傷つけられます。

血管が傷つくことにより動脈硬化が進み脳梗塞や脳出血、心筋梗塞という更なる大きな疾患に繋がるリスクがあります。糖尿病の有病者の方はそうでない方と比べた際に脳卒中、心筋梗塞のリスクが2~3倍も上昇傾向です。

5)糖尿病三大合併症

糖尿病には3つの大きな合併症を引き起こすリスクがあります。

糖尿病の三大合併症とは、以下の3つです。

①糖尿病性網膜症
②糖尿病性腎症
③神経障害

糖尿病は血管が傷つく病気ですので、その時に目の網膜にある細い血管が傷つくことで起こる病気が糖尿病性網膜症です。最終的には失明になる方も毎年3000人はいると言われています。

次に、糖尿病性腎症ですが、細い血管が集合している臓器となる腎臓の血管が高血糖によって傷つけられて腎障害がおこる病気です。腎障害が長くなると腎機能が正常に働かなくなり、透析が必要になる方もおられます。透析は年間で4万人が有病者なると言われていますが、糖尿病が原因で透析が必要になる方はその内1.6万人と言われています。

最後は神経障害です。神経障害は痺れ、痛みを感じづらくなるなどから、小さな傷に気づけなくなり化膿するまで自覚症状がなく、気づいたときには壊死しているというような状態で切断せざるおえなくなる方もおられます。

また、これらの三大合併症以外にも、最近では糖尿病がもたらす影響として、脳血管にも影響をあたる要因になることがわかっており、認知症のリスクが2倍になるという報告もあるようです。

6)1型糖尿病と2型糖尿病

それでは、糖尿病になる原因についてお話していきましょう。

糖尿病には2つあります。1型糖尿病と2型糖尿病です。

1型糖尿病は、遺伝や自己免疫の異常が起こることで膵臓からインスリンがほとんど出せないために起こります。1型糖尿病の方は遺伝的な要素が大きいと言われています。また、現役のアスリートが糖尿病を突然発症するケースは1型糖尿病が多いと言われています。糖尿病有病者の割合からすれば、1型糖尿病の方は1割にも満たないほど少なく、圧倒的に2型糖尿病型の方が多い状況です。

2型糖尿病は体質もありますが、日々の食事や運動の生活習慣が大きな原因と言われています。食べすぎ、運動しない、過度なストレスにより膵臓からインスリンを出す働きが鈍くなる、もしくはインスリンは出ているが効きが悪くなる(インスリンの抵抗性が低い)ことでおこります。生活習慣病で問題視されている糖尿病はこの2型糖尿病です。

7)糖尿病予防・改善の具体的な方法3選

糖尿病を予防するために必要なことは3つあります。

1つ目は食事に気を付けることです。

よく噛み、食べる量を腹八分目に心掛ける。そして、食べる内容や調理法に注意する。わたしたちの体は食べ物にも大きく影響を受けます。

パンとパスタ、ごはんとうどんのような主食どうしの組み合わせは控え、野菜や海藻類、豆類やお魚・お肉などのタンパク質と主食を組みあわせる食たべ方を意識的に取り入れることが大切です。文字で見ると大変そうですがイメージは定食のお食事です。

2つ目は適度な運動です。日本糖尿病学会における糖尿病治療ガイドによりますと、有酸素運動と筋力(レジスタンス)運動の実施が推奨されています。また、有酸素運動と筋力(レジスタンス)運動の併用はそれぞれの運動の単独よりも効果的に糖尿病を改善させることも報告されています。

有酸素運動はできれば毎日、少なくとも週に3~5回、各20~60分間行い、1週間の合計が150分以上の実施が推奨されています。糖代謝の改善は運動後12~72時間持続することから、血糖値を低下改善させるために運動は毎日もしくは週3~5日行う必要があります。歩行運動の場合は1日の歩数を10000歩(消費エネルギー160~240カロリー相当)を推奨されています。

10000歩だけを想像すると壁が高く感じやすいですが、100歩の所要時間の平均が10分と言われています。10分間の歩行を10回行えば10000歩を達成できます。まずはハードルを低くし、継続ができるようにすることをお勧めしています。筋力(レジスタンス)運動は週に2~3回の実施が推奨されています。(※心疾患や高齢者の方は強度の高い運動や頻度が高い運動は推奨されていません)

運動を実施するタイミングは、生活の中で実施可能な時間であれば、いつ行っても構いませんが、特に食事の1~2時間後に行うと食後の高血糖状態が改善されるとされています。

3つ目がストレス管理をすることです。

日常的にストレスが高いレベルにあると、糖尿病になりやすいという報告があります。人間はストレスを感じると体内で様々なホルモンが出てきます。その際に出るホルモンが血糖値を上昇させるために、糖尿病を発症しやすいのではと考えられています。また、ストレスによってホルモンバランスが崩れている状態が続くと、高血圧や肥満なども発症しやすくなるとも言われていますし、うつ病や不眠症になってしまう方もいます。過剰なストレスは体を壊してしまいます。

意識的に、今ここに集中するマインドフルネスや、好きなものに没頭する時間をつくり気分転換をすることが重要です。日本人は勤勉さがゆえに休むことが苦手で、休むことに罪悪感を覚える方も多くおられます。意識的な休息は健康管理には必須ですのでメリハリのある時間を過ごすようにされてみてください。

最後に

本日は、糖尿病についてお話をしてきましたが、健康でいるためには日々の積み重ねが大切なことが分かりますね。健康は一日にしてならずの気持ちをもって、日々の取り組みを改善することが大切になってきます。

ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

今後も、有益と思われる情報提供を行っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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