スパーブルームコラム
実はとても大切!!自律神経と仲良く関わる方法
記事の監修
柿本奈美パーソナルトレーナー
自身も最大体重90キロから40キロのダイエット経験を持ち、その過程でトレーニング理論や栄養学、マインドリセットを基礎から勉強。その後、パーソナルジムで専門的なトレーニング理論も学んできた。
身体づくりは継続することが大切であることを前提に、お客様が心地よく継続できるために、潜在的な悩みに寄り添えるような接遇面にも心を配り、お客様の1年以上の継続率は80%を超える。
【保有資格】
NSCA–CPT、日本ファンクショナル協会 CFT、CFBT認定ボディメイクトレーナー、アスリートフードマイスター
皆さまは、「体がだるい」「起きられない」このような不調を日々感じることはありませんか??
実は、このような症状は「自律神経」が関係しているかもしれません。
今日は、この「自律神経」についてお伝えしたいと思います。
1)自律神経とは?
自律神経が乱れている。自律神経を整えましょう。等々「自律神経」という言葉をSNSやメディアを通して耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
そもそも自律神経とはなんでしょうか?
自律神経とは、自動で身体を丁度よい状態に保つ働きのことを指します。
脳と体がお互いに情報交換を行い、身体を丁度よい状態にしてくれているおかげで、
・心臓を一定に動かす
・暑いときは汗を出して体温を一定に保つ
・寒いときは震え体温を上げようとする
・朝には目が覚め夜には眠くなる
・血液循環
自律神経は、このような生命維持機能を自動で行ってくれています。
もう少し深堀していきますと、自律神経にはふたつの神経があります。
①交感神経(こうかんしんけい)
②副交感神経(ふくこうかんしんけい)
①交感神経は身体を活動的にします。そして、②副交感神経は身体を休める働きがあります。
交感神経と副交感神経は1日の中で入れ替わりながら、朝は交感神経が優位になり、夜は副交感神経が優位になるリズムを毎日繰り返しています。
具体的には、朝起きる・日中運動や仕事を行う・人と会話を行うなどの行為は交感神経が優位になります。血管が拡張(広がる)し心拍数・血圧が上昇するため身体が活動的になります。
一方で、夜にゆっくりソファに座って過ごす・入浴する・音楽や読書を楽しむ・睡眠などの行為は副交感神経が優位になります。血管は収縮(狭く)し、心拍数・血圧は低下するため身体は休むように働きます。人間の体にとっては、このようなリズムが望ましいと言われています。
逆に、これらのリズムが崩れると体に不調を感じるようになります。
2)自律神経の乱れによる問題
では、どのようなことが自律神経を乱す原因になるのでしょうか。
大きな原因は下記の3つとなります。
(1)ストレス
(2)不規則な生活習慣
(3)加齢
(1)ストレス
ストレスを感じると、体と脳は丁度よいを保とうと過剰に交感神経を働かせます。
わたしたち人間のストレスの9割は人間関係と言われています。これはSNSの見過ぎも含みます。SNSを通じて誰かに引け目を感じる、コンプレックスに思うなどの感情を抱くとまさしく強いストレスとなります。また環境の変化も自律神経を乱す要因になります。
例えば起業、昇進、転職などからの責任感やプレッシャー、昨今であればリモートワークによる孤独感でも大きなストレスを感じることになります。
(2)不規則な生活習慣
不規則な生活習慣を過ごしていると、時計遺伝子が正確に機能しなくなり、自律神経を乱す原因になると言われています。時計遺伝子とは、体内で24時間周期に動いているタイムキーパーのような機能です。
自律神経は、時計遺伝子を基準にして交感神経と副交感神経のバランスを整えています。
その為、時計遺伝子の働きが悪くなると寝る時間になっても副交感神経が優位にならず眠れない、すぐ目が覚めるなど睡眠時間が短くなる、日中に交感神経が優位にならずやる気が出ない状態になります。
時計遺伝子の働きを安定させるためには2つのルールがあります。
1つ目は、毎日同じ時間に起きて、日光を浴びることです。
例えば、毎朝7時に起きて散歩や通勤で太陽の光を浴びることで、脳内の視交叉上核(しこうさじょうかく)が朝だ!!と認識し、時計遺伝子を正しく働かせることが出来ます。
休日も出来るだけ同じ時間に起きることが望ましいですが、1時間ほどであれば超過しても問題はないとされています。
2つ目は、食事時間を一定にすることです。
最近はプチ断食も定着してきていることもあり、食生活の中で1日の食事回数は人それぞれですが、朝を食べられる方もそうでない方も1食目の時間の固定を意識する事が大切になります。
(3)加齢
加齢は、誰もが避けて通れない道です。
男性は30代、女性は40代を境に副交感神経だけが大きく低下する時期があると言われています。副交感神経が低下するということは、身体が休まりづらい緊張状態が長くなることです。年齢を重ねると身体を休める時間を意識的に作ることが大切になってきます。
ここまで、自律神経の働きや低下の原因をお伝えしましたので、今からは自律神経が乱れるとどのような問題が起きるのかをお伝えしたいと思います。
こちらも代表する問題は下記の3つです。
①自律神経失調症
②神経性胃炎
③過敏性腸症候群
①自律神経失調症
自律神経失調症は、精神的なストレスや過労が引き金になり心と体に不調を抱える症状です。全身の倦怠感、頭痛、体が硬くなる、手足のしびれ、動機、不整脈、めまい、不眠、朝起きられない、集中力が持続しない、食欲の乱れ、等々。
思い当たる項目が多い方ほど適切な対処が必要になります。
②神経性胃炎
神経性胃炎は、自律神経のバランスが乱れることにより胃酸が過剰分泌、もしくは胃酸の分泌低下がおこり・食事を消化することが難しい状態になる状態です。
胸につかえる、胸やけ、食後の痛み、もたれ、等々。
こちらも消化吸収に影響があることなので適切な対処が必要になります。
③過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、強いストレスにより交感神経が過剰に優位になり、腸の働きが悪くなり慢性的な便秘、もしくは痛みを伴う下痢症状が常態化しする状態です。
①自律神経失調症、②神経性胃炎、③過敏性腸症候群。
自律神経の乱れによる弊害は、これだけではありませんが、自律神経が乱れている方に多く共通する項目となっています。
対策はないのか?と思われますよね。
それでは、自律神経の整え方について代表的なものをお伝えさせて頂きたいと思います。
3)自立神経の整え方
まずは、腸内環境を整えることです。
腸内環境につきましては、過去の記事に掲載しておりますのでそちらをご一読いただきたいですが、簡潔にまとめますと以下の点を意識して頂きたいと思います。
- 起床後にコップ1杯の水を飲む
- 発酵食品を摂る
- 食物繊維(水溶性多め)を摂る
腸内環境を整えると言っても、個人により差が大きいので自分に合った腸活を見つけることが大切です。
次に、意識して頂きたいことは、食べすぎない、腹八分目を継続することです。
血糖値の維持にも自律神経が関係しています。大量の炭水化物(主食類やお砂糖)が身体に入ることで身体は異常事態と判断をし、一生懸命に身体を丁度よいバランスに整えようと自律神経とホルモンの総動員をして働きます。自律神経の過剰労働はまさに体の中がブラック企業になっている状態です。
食べすぎが常態化すると、自律神経は疲弊寸前になります。
食後のデザート、勿体ないから食べる行為は減らせるように意識づけが大切です。
最後は、睡眠の質を上げる日を作ることです。
好きな香りやリラックスできる音楽を利用する、なぜか読み出すと眠くなる本を読む、目や首を温めるなどマイリラックス法を作り、睡眠と向き合う日を週1日は設けて頂きたいと思います。
現代は、24時間営業のお店がたくさんあることにより、食事時間や食生活の多様化、SNSやゲームを通して気軽に交流を持てる便利な生活になりました。
ですが、便利な反面、気を付けなければ生活習慣の乱れやストレスを抱える大きな問題になり、自律神経の乱れから身体の不調を招きかねません。
自律神経を大切な家族、恋人、友人、ペットのような存在と認識して頂くと大切に仲良くできるのではないかと思います。
今日は、自律神経についてお伝えをさせて頂きました。
体を健康的に維持する上では、体を鍛えることも大切ですが、自律神経が適切に働く状態を作ることも大切です。 こういったことも体づくりでは大切な要素になってきますので、ご興味がある方は是非お気軽にお尋ねをいただけますと幸いです。