スパーブルームコラム

筋肉痛の正体って?痛みの原因と加齢との関連をパーソナルトレーナーが徹底解説
記事の監修

松本一輝パーソナルトレーナー
祖母の糖尿病がキッカケとなり、健康維持に関して精通し、病気にならないための健康な身体づくりに貢献したいと思いパーソナルトレーナーの道に進む。身体に関わる仕事であるからこそ、知的誠実性のある高いスキルと意識を持ったトレーナーとなるべく日々学び腕を磨いている。
身体づくりは、様々な要因が複雑に絡み合って成立しているため、それらを一つずつ汲み取り、適切な技術で、かつお客様が心地よく取り組んでいただけるサービスとしてご提供することを日々意識している。
【保有資格】
NSCA–CPT
更新:2025年2月19日
いつもコラムをお読みいただきまして有難うございます。
スパーブルーム ホテルオークラ神戸店 パーソナルトレーナーの松本です。
ところで、皆さまは筋肉痛に悩まされたことはありませんか。
久しぶりに運動したり、お出かけしたときにおこる筋肉痛。
日常生活に支障が出るほどの痛みと身体の動かしづらさに困った経験があるのではないでしょうか。
そんな困った筋肉痛ですが、とある工夫をすることで、予防したり、早く治すことが可能です。
皆さまの中には、運動をすると乳酸がたまり、その乳酸が筋肉痛を引き起こしていると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
筋肉痛を予防すると聞いて、「疲労物質の乳酸を何とかするの?」と思われるかもしれませんが、実は、近年の研究で乳酸は疲労物質ではないという考え方が定着してきており、乳酸は疲労物質であるどころかエネルギー源として利用されていることが判明しているのです。
今回のコラムでは、筋肉痛に関する最新情報を徹底解説します。
ぜひご覧いただき、筋肉痛の予防や早期回復ができるように準備しておきましょう。
少しでも参考になりましたら幸いです。
目次
筋肉痛には種類がある
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筋肉痛の原因は乳酸ではないと前述しましたが、では何が原因なのでしょうか?
結論から申し上げますと、筋肉痛のメカニズムは完全には解明されていません。
しかし、現在有力とされている説がありますのでご紹介させていただきます。
筋肉痛には、運動やトレーニングで生じる「筋繊維の損傷を修復する過程で生じる筋肉の炎症」が関わっているとされています。
筋肉痛には、大きく2つの種類があります。
運動中~直後に起こる「即発性筋肉痛」と、運動後数時間~数日後に起こる「遅発性筋肉痛」です。
まずは、この2つについて詳しく解説していきます。
運動中~直後に起こる筋肉痛
即発性筋肉とは、「運動中~直後に起こる筋肉痛」のことを言います。
スポーツ選手が短距離走や重量挙げなどの非常に激しい運動をした際に起こることが多いです。
物理的な筋膜へのダメージや水分不足、筋肉の緊張状態が持続することで血流不足となることで引き起こされると考えられています。
運動後数時間~数日後に起こる筋肉痛
遅発性筋肉痛とは、「運動後数時間~数日後に起こる筋肉痛」のことを言います。
これが一般的に筋肉痛と呼ばれているものです。
先程からお伝えしているとおり、遅発性筋肉痛のメカニズムは、現在も完全には解明されていません。
以前までは、乳酸という疲労物質が筋肉に溜まることが原因とされていました。
しかし、実際には乳酸は運動のエネルギーとして再利用することが可能なので、乳酸が筋肉痛の原因であるという説には否定的な意見が多くなっています。
現在は、筋繊維の損傷や、損傷した筋線維を修復する過程における炎症によって生じる疼痛物質が原因だと考えられています。
筋肉痛の本当の原因とは?
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筋肉痛が起こる過程について、より詳しく解説させていただきます。
①筋繊維の損傷
筋肉痛の主な原因は、筋肉を構成する筋繊維の損傷によるものです。
スポーツや筋トレで普段使わない筋肉を使ったり、同じ筋肉に繰り返し強い負荷がかかることで、筋繊維や周りの結合組織にミクロ単位の微細な傷がつきます。
②筋繊維の修復が始まる
損傷した筋繊維を修復するために、白血球をはじめとする血液成分が集まります。
③炎症反応
修復の過程で「炎症反応」が起き、痛覚物質(ブラジキニン、ヒスタミン、プロスタグランジン等)が生産されます。
筋繊維には痛みを感じる神経はありませんが、痛覚物質は徐々に筋肉を覆う筋膜まで広がります。
この時に初めて「筋肉痛」という痛みを感じるようになります。
筋肉痛が数時間~数日後に遅れてやってくるのは、このためです。
【他説】神経過敏
筋線維が損傷した際に周囲の神経が敏感になることがあり、これを「神経過敏」と呼びます。
その名の通り、痛覚を感じる神経が過敏になり、普段よりも軽い刺激でも痛みを強く感じるようになります。
こちらは身体が損傷部分を保護しようとする防御反応の一環とされています。
さらに、神経過敏状態では、損傷部位を動かす際の筋肉の伸張や収縮が、さらに痛みを引き起こす原因となります。
こちらは筋肉痛の初期段階でよく見られていて、日常生活での軽い動作でも痛みを感じることがあります。
よくある筋肉痛の疑問について解説
ここでは、皆さまがよくもたれている筋肉痛に関する疑問について詳しく解説していきます。
筋肉痛と加齢との関係
年齢を重ねるにつれて、筋肉痛が起こりやすくなる、または治りにくくなると聞いたことはありますか?
実は、加齢による筋肉痛の遅延や、治りにくさについては未だに明らかになっておりません。
しかし実際に事象として発生しているので、原因を考えてみようと思います。
それは、加齢による筋力低下→それに伴う活動量の低下→活動量低下による、更なる筋力低下や筋量の減少、毛細血管の萎縮など、負のループに陥ることで発生していると考えられます。
実は、筋繊維に栄養や痛覚物質、酸素を届ける毛細血管は、加齢に伴って減少します。
前述したように、筋肉痛は損傷した部分を修復する際に「炎症」が起き、痛覚物質を産生することで、筋膜が刺激されて、痛みを感じます。
つまり、痛覚物質が筋繊維に届かなければ、そもそも痛みを感じることができないのです。
痛覚物質の遅延こそが筋肉痛が遅れる原因であり、加齢によって筋肉痛が遅れる、という現象をつくり出しています。
まとめると、筋繊維は損傷しているが、痛みを感じるのにラグがあるということです。
ですので、「歳を取ったから筋肉痛が遅れる」というのは、少しだけ誤った表現なのかもしれません。
筋肉痛の時に運動してもいい?
筋肉痛がある場合、無理な運動は避けるべきですが、軽い運動やストレッチは筋肉痛の回復を早める効果があります。
これは、血流を改善することで、損傷した筋肉に酸素や栄養素を送り届け、老廃物を効率的に排出するためです。
ただし、強い痛みを伴う場合は、まずは十分な休息を取ることが推奨されます。
場合によっては病院へ相談することも必要です。
筋肉痛が無いと筋トレ効果はない?
よく筋肉痛が出ないと、筋トレの効果がないと仰られる方がいらっしゃいます。
たしかに、鍛えたい筋肉へ適切に刺激が入っておらず、筋肉痛が発生しないことはあると思います。
ただ、筋肉痛が発生しなくても、しっかりと筋肉に刺激が入っている場合があります。
次の項目でもお話させていただきますが、筋肉痛が出やすい筋トレと、そこまで筋肉痛が出ない筋トレがあります。
ゆっくり動かすか、瞬発的に動かすか、でも変化します。
重さで筋肉に刺激を与える物理的ストレスなのか、筋トレで生じる細胞内の変化である化学的ストレスなのか、でも変化します。
そのため、必ずしも筋肉痛が出ないと効果はないという訳ではありません。
トレーニング効果を筋肉痛の有無で確認するのではなく、ボディラインの変化や体重計・体組成計のデータ、トレーニングボリュームなど、様々な指標を元に振り返りましょう。
筋肉痛が出やすい運動と出にくい運動
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筋肉痛が出やすい運動の特徴は、筋肉が伸びながら力を発揮する「伸張性収縮:エキセントリック運動」を含むものです。
例えば、坂道を下るランニングやスクワットの降りる動作が該当します。
一方、筋肉が縮みながら力を発揮する「短縮性収縮:コンセントリック収縮」では筋肉痛が比較的出にくいとされています。こちらは、逆に階段や坂を上る運動のことです。
これは、筋肉の収縮様式の違いによるものです。
実は、筋の力発揮は、「短縮性収縮:コンセントリック運動」よりも「伸張性収縮:エキセントリック収縮」の方が、割合が高いです。
イメージすると分かりやすいですが、負荷に打ち勝ちながら収縮する、短縮性収縮に対して、負荷に打ち負けながら、引き伸ばされながら収縮する伸張性収縮だとダメージの割合は、後者の方が高くなります。
ダメージの割合が高いということは、それだけ筋繊維の損傷率も高くなりますので、結果、筋肉痛がでやすくなります。
血流を改善し筋肉痛を早く治す方法
ここからは、筋肉痛をできるだけ長引かせないための工夫をお伝えさせていただきます。
もしものときに実践できるように、しっかりと覚えておきましょう。
マッサージ
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軽いマッサージは血流を促進します。
筋肉痛を感じるのは、筋繊維自体が傷ついたからではなく、筋繊維を修復する際に産生される痛覚物質によるものなので、筋肉に溜まった老廃物や痛覚物質を排出するのに効果的です。
ただし、過度なマッサージは筋肉をさらに損傷させる可能性があるため注意が必要です。
軽い有酸素運動やストレッチ
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ジョギングやウォーキング、ヨガなどの軽い運動は筋肉痛の緩和に役立ちます。
筋肉痛があるのに運動しても良いのか?と疑問に思うかもしれませんが、軽い負荷で運動することで疲労回復を行う方法を「アクティブレスト」と言います。つまり運動による休息です。
激しい運動や、たくさん動いたあとは軽めの運動を行い、身体の回復に努めていきましょう。
また、ストレッチを行うことで筋肉をリラックスさせ、柔軟性を高める効果も期待できます。
入浴
入浴は体温を上げ、血流を改善する効果があります。
特にぬるめのお湯にゆっくり浸かることで筋肉をリラックスさせることができます。
リラックスすることで、筋肉の筋緊張や過度な収縮を和らげる効果がありますので、できればシャワーのみではなく、湯船につかることをオススメします。
湯船からは素早く立ち上がってしまうと、起立性低血圧による立ちくらみを起こしてしまうかもしれないので、ゆっくりと立ち上がりましょう。
また、入浴後の水分補給も忘れずに行いましょう。
バランスの取れた食事(栄養補給)
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タンパク質やビタミンC、亜鉛などの栄養素は筋肉の修復に欠かせません。
肉や魚、大豆製品、野菜、果物などをバランスよく摂取しましょう。
筋肉の修復には、上記のようなタンパク質の摂取が必要不可欠ですが、それ以外の栄養素にも配慮する必要があります。
特に三大栄養素である、タンパク質・糖質・脂質は、エネルギーを作り出すうえで必要不可欠ですので、過不足がないように積極的に摂取しましょう。
休養
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適度な休養も筋肉痛の回復には重要です。
特に睡眠は筋肉の修復に大きく関与しているため、質の高い睡眠を取るよう心掛けましょう。
筋肉の回復には、成長ホルモンの分泌が不可欠で、このホルモンは深い睡眠(ノンレム睡眠)中に多く分泌されます。
ですので、睡眠不足が継続してしまうと、成長ホルモンの分泌に悪影響を及ぼしてしまい、結果、筋肉痛の回復も遅れてしまいます。
また睡眠不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を促進します。
このホルモンは、筋肉の分解を促進する作用があるので、筋肉の回復・筋肉の維持にとってマイナスの結果を及ぼします。
適切で良質な睡眠をとれば、これらのホルモンの分泌に悪影響を及ぼすのを抑えることができますので、自分に合った休養を選択しましょう。
筋肉痛を予防するには
ここでは筋肉痛を予防するための方法について解説します。
筋肉痛が起きてしまった場合は、早く治すコツを採用し、そもそも筋肉痛を予防したい方は、以下の方法を試してみてください。
できるだけ、どんな方でも取り入れやすいものを選んでみましたので、きっと参考になるかと思います。
運動習慣をつくる
定期的に運動することで筋肉が慣れ、筋肉痛が発生しにくくなります。
最初は軽い運動から始め、徐々に運動量を増やしていきましょう。
筋肉痛は、筋繊維に微細な傷が入ることで発生しますので、事前に丈夫な筋肉をつくることで予防することが可能です。
筋肉量を増やす方法や、効果的なトレーニング方法については、スパーブルームコラムでも紹介させていただいておりますので、是非参考にしていただければと思います。
準備運動をする
運動前にストレッチやウォームアップを行うことで筋肉を温め、筋線維の損傷を予防できます。
ウォームアップを行うことで、筋肉や関節は正しい動作を行いやすくなります。
正しい動作を行えなければ、筋肉に過度な負担がかかり、筋肉痛を起こしてしまいます。
きちんと準備運動を行いましょう。
段階的に負荷を上げていく
一度に高負荷の運動を行うと筋肉に大きなダメージを与える可能性があります。
少しずつ負荷を増やし、身体を慣らしていくことが大切です。
張り切ってトレーニングを行ってしまい、ひどい筋肉痛になってしまったという経験があるのではないでしょうか?
それは、現在の身体に対し、過度の負荷がかかってしまったことが原因です。
現在の自分の身体に見合った負荷を選択し、正しく運動や日常生活を行うことが大切です。
スパーブルームの無料体験のご紹介
ここで、私たちが運営しているパーソナルトレーニングサービス スパーブルームについて少しだけご紹介をさせてください。
スパーブルームは、大阪難波駅直結のスイスホテル南海大阪内、そして、神戸を代表する高級ホテルであるホテルオークラ神戸内で、身体の土台から健康な身体を整え、作っていくパーソナルトレーニングサービスをご提供しています。
ホテル内という非日常感が漂う洗練された空間で、一人ひとりのお客様のカラダの状態を確認させていただき、自分に合った自分だけのカラダづくりを取り組んでいただくことができます。
現在、各店舗で無料体験を実施していますので、ぜひ一度ご体験をいただけたら幸いです。
無料体験がどのようなものなのかを簡単にご紹介しますので、是非ご確認ください。
【無料体験の流れ】
1)ご来店・お着替え
まずは、無料体験のご予約日時にご来店をいただき、更衣室でお着替えをしていただきます。
体験の際に使っていただくウエアやシューズ、タオルは無料でお貸出しさせていただいていますので、手ぶらでお越しいただいて大丈夫です。
トレーニング中に飲んでいただくミネラルウォーターもお渡ししています。
2)身体のチェック

体験トレーニングに入る前に、まずお客様の身体の状態を確認させていただく独自の身体動作評価プログラムを実施させていただきます。
こちらのプログラムを通じて、今まで気づいていなかった自分のお身体の状態を把握していただくことができます。
3)体験トレーニング

お客様の身体の状態を確認させていただいた内容を踏まえて、お客様にあったトレーニングメニューを概ね45分~50ほど体験いただきます。
こういった身体になりたい、こういったことに困っている等、ご希望に合わせた内容でのメニューを実施させていただいています。
4)リラックスタイム
パーソナルトレーニングの体験後には、スパーブルームのサービスを実感いただく為、付帯サービスとなっているお風呂、サウナをご利用いただくこともできます。
体験トレーニングとはいえ、身体を動かした疲労感もあるため、リラックスしていくことができます。
以上が、簡単な無料体験の流れのご紹介です。
まずは、お気軽に一度体験をしてみていただけたら嬉しいです。
無料体験のお申し込みは、下記の申し込みフォームやLINE公式アカウント、もしくはお電話でも簡単にできますので、是非一度ご検討ください。
》》スパーブルームの無料体験の申し込みフォーム(スイスホテル南海大阪店・ホテ
まとめ
いかがだったでしょうか。
筋肉痛になるメカニズム、早く治す方法、予防法について詳しく解説させていただきました。
筋肉痛と加齢の関係について、直接的なつながりは無いかもしれないとお話させていただきました。
どちらかというと、加齢に伴い、筋肉量が減少し、日常生活の活動量が減少することにより、さらに筋力が低下してしまうことで、ちょっとしたことでも筋肉痛が発生しやすくなることが、原因なのではないかと思います。
ですので、普段より少しでも活動量を増やすことを意識されるのが良いと思います。
1駅分歩いてみたり、エスカレーターやエレベーターではなく、階段や歩行を選択してみたり、電車では立ったままを選ぶなど、日々のちょっとした工夫が丈夫な身体を形作ります。
場合によっては、パーソナルトレーニングのように自分に合ったトレーニングプログラムを作成してくれるサービスを選択するのも良いかもしれません。
ここまで読んでいただき有難うございます。