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スパーブルームコラム

健康な体の維持を目指すために考えたい「骨粗鬆症」について

いつもコラムをご覧頂きまして、有難うございます。
パーソナルトレーニングジムSUPERBLOOMの江崎です。

前回は「骨」の機能と役割についてご紹介させて頂きましたが、本日のコラムでは「骨」の病気の一つである「骨粗鬆症」について、トレーニングとの相関性についてご紹介させていただきます。


1)骨の機能と役割について

まず、前回のおさらいとして、骨の機能と役割についてご説明いたします。
私たちの体は、成人でおよそ206個の骨で形成されていて、骨は、身体運動に関わる多様な組織や器官と密接に連携し、「運動器」としての役割を担っています。
「運動器」とは身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経等の総称であり、自分の意思で活用できる組織となります。そして、この「運動器」の障害は、私たちの生活や運動機能の低下に直接的な影響を与えることになります。

特に、骨が担う役割として大きいものとしては、体を支えることにありますが、その他にも脳や内臓の保護、血液を作る働きがあります。また、骨には、カルシウムを貯蔵する機能や血中のカルシウム濃度が低下した際に骨に貯蔵してあるカルシウムを血液中に放出し、一定量を維持する働きもあります。
※血中カルシウム濃度が低下する原因は様々ですが、血中カルシウム濃度が低下すると、筋肉の痙攣やこわばり、錯乱、抗うつ、唇や指のチクチク感等の症状が見られます。

2)骨粗鬆症とはどんな病気?

さて、「骨粗鬆症」とはそもそもどんな病気でしょうか?
骨粗鬆症とは、簡単に説明すると、骨の強度が低下し、骨折しやすくなる骨の病気です。骨粗鬆症により骨が脆くなると、つまずいて手や肘をついただけ、また、くしゃみや咳などのわずかな衝撃だけで骨折することがあります。直接的な生命の危機に直結する病気ではありませんが、下半身の骨折で介護が必要になる人も少なくなくありません。

3)骨粗鬆症の原因について

骨粗鬆症の原因としては、主に加齢に よる要因が大きいと言われています。
骨量(骨密度)は大体20歳前後でピークに達します。それから、40歳半ばまではほとんど一定ですが、50歳前後から多くの人で低下していくことが知られています。特に、女性では50歳前後から急激な低下がみられます。若い方でも、極端なダイエットによる栄養不足や運動不足、長年の生活習慣(喫煙、アルコール、カフェインの多飲、日照不足)が原因となって骨量(骨密度)の低下がみられることがあります。

こうして見てみると、「骨粗鬆症」は閉経後の女性やお年寄りの病気と誤解されがちですが、実は、20代の若い男性でもかかる可能性があります。ある自転車種目の選手が、日常生活での軽い転倒で大腿骨を骨折した際の骨量検査で重度の骨粗鬆症と診断されたことがありました。その方は、当時25歳でしたが、検査で調べたところ、80歳代の骨量しかありませんでした。なぜこのような若くて健康な、しかも運動もしている男性が骨粗鬆症になったのでしょうか?

その理由として考えられるのが、「スクレロスチン」という物質の異常発生です。
この「スクレロスチン」の説明をさせていただくのですが、その前に、まず前回もご紹介させていただきました、骨の作り替えの仕組みについて簡潔に説明させていただきます。私たちの骨は、常に作り替えられていて、成人であれば約3年~5年で全身の骨が作り替えられます。新しく強い骨を生成し、維持することで骨折を防ぐためです。この作り替えを行っているのが、骨の中にいる細胞、骨を壊す「破骨細胞」と骨を作る「骨芽細胞」です。この2つの細胞の作り替えのバランスが崩れて起きるのが「骨粗鬆症」と言われています。

では、どのようにしてこのバランスを取っているのかというと、そこには「骨細胞」という作り替えを指示する、例えるならば、建設現場の監督みたいな細胞がいます。この骨細胞はメッセージ物質という特別な物質によって作り替えを指示しています。指示の内容としては「骨を作れ!」、「骨を壊して!」などです。スクレロスチンはこの骨細胞が出すメッセージ物質の一つで「骨を作るのをやめよう」という内容の物質となります。
骨細胞は骨の量が増えすぎないように、このスクレロスチンによって骨を作る骨芽細胞の数を減らします。ところがこのスクレロスチンが出過ぎてしまうと新たな骨が形成されず、骨量が低下してしまいます。これが骨粗鬆症の原因になっていると考えられています。
※骨の増え過ぎによる病気をありますが、今回は割愛させて頂きます。

なぜ、そんな異常事態になるのかですが、実は骨細胞には「骨にかかる衝撃を感知する」という働きがあり、体の骨に衝撃があるか、ないかにより、新しい骨を作るペースを決めていると言われています。骨に「衝撃」がかからない生活を長く続けていると骨細胞が「スクレロスチン」を大量に出して、骨芽細胞の数を減らし、骨の形成をストップしてしまうことがわかっています。普段の生活で一日の大半を座って生活している現代人、運動をしない人は知らぬ間に「スクレロスチン」が大発生し、骨粗鬆症になっている可能性があるということです。

4)骨粗鬆症にならないようにするには

では、この「スクレロスチン」をコントロールし、骨芽細胞を活性化し、骨粗鬆症を予防するにはどうすれば良いでしょうか?

それには、栄養バランスを考えた食事を摂ることはもちろん大切ですが、私は運動が一番重要と考えています。ウォーキングや筋力トレーニングなど、骨に衝撃が加わる運動を行うことを推奨しています。骨は、長軸に対して物理的な刺激が加わると、微量の電流が骨に伝わり強さが増していきます。

スポーツ選手の骨密度は、一般人より高い値を示すことが多いですが、全てのスポーツで優れた値を示す訳ではなく、物理的な過重負荷が大きいスポーツを行っているスポーツ選手ほど骨密度が高い傾向にあります。

例えば上で紹介した自転車選手や、水中での過重負荷の少ない水泳選手は、陸上でのスポーツ選手より骨密度が少ないことが報告されています。

したがって、骨粗鬆症を予防する為には、ウォーキングやジョギングのような重力のかかる運動が効果的だと考えられます。手に軽いダンベルを持ったパワーウォーキングもお勧めです。また、骨は通常腱を介して筋肉へと繋がっていますので、筋力トレーニングによって、骨に直接刺激を与える方法もとても効果的です。フリーウエイトトレーニングやマシンを使って筋力トレーニングを行うと、重りを持ち上げるたびに筋肉は強く収縮し、骨に刺激が伝わります。

さらに、筋力トレーニングにはウォーキングやジョギングだけでは強化できない上半身の骨も鍛えることができます。アメリカのミズーリ大学で骨量の少ない、骨粗鬆症予備軍の男性38人(20代~50代)に週3回30分の筋力トレーニングとジャンプ運動を行い骨に刺激を与える実験が行われまたところ、1年後には38人中36人に骨量増加、スクレロスチンの低下が起こる結果が出ています。

これにより、何もしなければ、20代から骨量は徐々に減少していきますが、それでも意図的に運動を行うことで、骨に刺激を与えるとスクレロスチンの値が下がり、骨量を上げることができます。

人は年齢を重ねると自然と骨や筋肉が弱くなっていきます。筋力トレーニングを行うことで筋肉が鍛えられることはもちろん、骨に刺激が加わり骨粗鬆症の予防になります。将来に向けた体の準備、いつまでも元気な体を維持するためにも、まずは簡単な筋力トレーニングで運動を始めてみてはいかがでしょうか。

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